重力ピエロ

泉水と春、どちらも英語で書くと“spring”。そう名付けられた兄弟2人を中心に物語は展開していく。家族について色々と考えさせられる映画だった。個人的に小日向文世が演じる父親は、理想の親父だと思った。「俺たちは最強の家族だ」なんて言える親父になりたいと思ったし、そんな親父がいてくれたらと思った。父の日の翌日にこの映画を見たことにも何か意味があるのかもしれない。そんなことさえ思った。
本当はDVDが出たら見ようと思っていた程度の作品だった。でもオフィシャルサイトで北川景子が、

これほど映画らしい映画を私は久しぶりに見たと思う。

いつまでも見る人全員に衝撃と感動を与え、

後世名作として残ってゆくだろう。


もし仮に『この映画を映画館で見ようと考えていない』

という人がいるならば、はっきり言っておこう。

その考えを一刻も早く改めて映画館に行くべきだ。

さもなくば、君は後に必ず後悔することになる。

こんなこと言ってるもんだからさ。これは映画館に行くしかないだろうと。
「もしかしたらごく普通の家族の話になってしまうのではないか」と、原作者である伊坂幸太郎は危惧していた。しかし彼の心配は杞憂に終わり、そして彼の言う「低温のロックンロール」は十分に伝わってきた。実にちょうどいい温度を感じることができた2時間だった。